#2
再びワゴンに乗った一雄(西島秀俊)と忠雄(香川照之)が次に辿りついたのは、一雄の勤めていた会社の取引先「タカラベ電機」会長の葬儀会場だった。
そこに、一雄の上司・藤木常務(木下ほうか)が現われる。
後に一雄のリストラを決める張本人だ。

この日行われる精進落としが、実は常務一派の決起集会であったことを憶えていた一雄は、常務に取り入るため、本来断っていたその会に参加することにする。

しかし、こちらを見下す常務の態度に機嫌を損ねた忠雄は、踵を返して一雄の家へ。
一雄はしぶしぶ追いかけるが、その道中で美代子(井川遥)と広樹(横山幸汰)の姿を見かける。

2人は捨て犬を抱いていた。「お父さんに相談してみたら?」美代子が勧めても、広樹は首を横に振る。
一雄はこれまで、動物を飼うことを許さなかったからだ。後ろ髪を引かれながらも、広樹は子犬を元いた場所へ帰す。
「どうせダメだよ…」

捨て犬のことも、広樹の思いも、全く知らなかった一雄。
ワゴンに乗らなければきっと気付くことは無かっただろう。

本当にやり直さなければいけないのは、精進落としよりも、こっちなのではないか? そんな考えが一雄と忠雄の頭をよぎる。
一雄が忠雄を連れて家に帰るが、広樹は忠雄のことを全く覚えていなかった。

だが忠雄に促された広樹は、犬を飼いたいと一雄に頼む。
しかし一雄は返事を迷う。

一雄には、犬にまつわる少年時代の辛い記憶があるのた。
そしてその出来事は、忠雄が深く関わるものだった…。
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