骨ノ髄マデ凍ル様ナ晩
森ノ奥ニ 見テシマッタ ・・・
木槌(きづち)ヲ 振ウ 白イ影ヲ ・・・
この夜を生き残れたら―
もう、怖いものはない。
あの晩、僕は逃げていた。
彼女から、家族から、友人から、夢から。
そして、自分自身からも。
Jホラー次代のリーダー、
川松尚良監督が叩き付ける全く新しい戦慄―!
映画初主演を飾る、小野塚の渾身の芝居を
是非、ご期待ください!
ある真冬の夜、青年・健二が自転車で通りがかった人気のない林道。
絡まり合う木立の向こうに、彼は見てしまう。
狂おしい憎しみを込め、五寸釘を人形に打ち込む白い女を。
【丑ノ刻参リ】とは、日本古来より伝わる呪詛(じゅそ)。丑の刻(深夜1〜3時)
、
憎い相手を象った人形を神社のご神木に打ち付けることで行う。
もし行為を目撃された場合―目撃者を殺してしまわなければならない。
健二の眠れない夜が始まった。
オレンジ灯が照らす国道、山を貫くトンネル、神社脇の交番―言葉もなく、女は一心不乱に健二に追いすがる。
そして遂に健二の部屋の住所が女に知られてしまう。
今、部屋には恋人の美穂がいるのだ。心を病み、健二の帰りを待つ美穂が。
やがて健二が知る、女の抱いた憎しみの回復しようのない大きさ、誰もが目を逸らし続けるこの街のおぞましい過去―!
間もなく朝陽が昇る。
健二と女の「鬼ごっこ」は、絶望的な終局を迎えようとしていた。
日本映画界が口を閉ざした「呪詛」とは―
太古より日本社会の底流に存在しながら、今までホラー映画のテーマとして扱われたことがない実在の呪い、「丑の刻参り」。
これまで映画で「丑の刻参り」が封印されて来た理由は二つある。
今も残る風習であり、誰にでも簡単に行える危険性があること。
呪うものと呪われるものの間に距離がある分、その恐怖を描くのが難しいこと。
本作は、主人公を「観てしまった側」に設定。
「観ただけで追われる」その恐怖をストイックに追求するホラー映画だ。
物語は「丑刻の呪い」の奥深くまで踏み込み、主人公の日常が一気に浸食されていく様を観客が呼吸を忘れるほどの緊張感で描き出していく。
小野塚勇人
恒吉梨絵
大竹一重
はるか
今沙栄子
白須慶子
監督・脚本・美術
川松 尚良