01. EMPIRE CODE (Produced by AK-69)
MA55IVE劇場の開幕を告げる1曲目は、MA55IVE帝国へと続く道を歩み出した5人を鼓舞するファンファーレ。ドラマチックなイントロとマーチング風のビートが感情を昂ぶらせる。理想実現に向け、自分たちの信念と美学を高らかに謳う5人の熱きヒップホップ協奏曲。
「アルバムの設計図を考えたときにガツンとくる強い曲が表題曲に欲しくて、AK-69さんにプロデュースをお願いしました。聴いた瞬間、これだ!と思いましたね」(LIKIYA)
「鳴り出した瞬間に警告を知らせるような感じがあって、“イントロ力”がすごい。AK-69さんのシャウトも入っていて、俺たちの曲にAKさんの声が入ってる!ついに来た!と感動しました」(SHOHEI)
02. BREAK IT OUT feat. SPRITE
今年10月で二十歳になるタイの人気ラッパー、SPRITEを迎えたフロアバンガー。5人がラップするパートは全編英語詞になっていて海外バズも射程圏内に収めた1曲。低音がブンブン唸るトラップ×ダブステップな作りで、展開が変わるアウトロでは狂騒が一層爆発することマチガイナシ。
「今後ライブで急成長していきそうな曲。SPRITEくんとステージで共演したことはないから、いつかこの曲を日本はもちろん、タイでもパフォーマンスしたいです」(KENTA)
03. 分かんだろ? feat. P-CHO, YAMASHO
DOBERMAN INFINITYのメンバーであるP-CHOと真っ向勝負したド直球のラップナンバー。どっしりしたビートの上で2人が自らの誇りとプライドをスピットする。荒波に揉まれながらも自分を見失わずに進んできた不屈の精神を歌詞に落とし込み、エールを交換。フックに出てくる“吉備団子”というワードでYAMASHOは地元・岡山をレペゼン。
「P-CHOさんとサシでラップバトルをやりたくて作りました。この曲を通して、もっと声を上げていこうよ、自分の中にある声をもっと発信していこうよっていうことを伝えたかったんです」(YAMASHO)
04. BEAT JUNCTION feat. SWAY
今年7月に開催されたSWAY総合演出による「X'SWAY Fes 2025」での両者の共演に向けて制作された1曲。MA55IVEはロック調の楽曲も人気が高いことを受け、今回はヘヴィーなミクスチャーロックに挑戦。6人がハイテンションのマイクリレーを繰り出す。
「肩肘張らずに、ただ音の上で俺たちが交わって楽しんでる曲をやらない?というSWAYさんの提案で作りました。二組の交差点であり、音の交差点でもあるということでJUNCTIONをテーマに書きました。サビでみんなと一緒にヘドバンして盛り上がりたいです」(YAMASHO)
05. Changer feat. PKCZ®
心地好い浮遊感がクセになるリキッドファンク仕立ての楽曲。今年6月にリリースされたPKCZ®「Times feat. MA55IVE THE RAMPAGE」と対になっていて、通底するテーマはTimes Changer。自分たちの音楽で時代を変えていくんだという思いが込められている。
「MA55IVEに対する自分たちの想いや各自が核に持っている言葉をリリックに落とし込んでもらいました。それが1から10までの数字を使った言葉遊びになっているのが聴きどころ。“握りしめる片道切符を”という歌詞もあって、前に向かって未来を切り開いていく姿を歌っています」(SHOHEI)
06. Universe feat. SKRYU, TAKAHIDE
庶民派感覚のリリックで多くの共感を呼んでいる人気ラッパー、SKRYUとのタッグ曲。両者が互いの世界線(=Universe)で掛け合いながらフックで1つの世界観に収束していく構成や、自分の弱い部分を肯定するリリックが秀逸。2ステップとジャージークラブを掛け合わせたビートはTAKAHIDEが自ら制作。
「いろんな悩みや苦しみがあってもいじけずに頑張ろうよっていう曲を書きたかったんです。僕が作った『ガーベラ』という曲をSKRYUさんが好きだと仰ってくれたので、トラックはちょっとハッピーなテイストも加えて作りました」(TAKAHIDE)
07. Feel the vibe feat. May J., JAY'ED, KENTA
ハープの音色が印象的な透明感あふれるR&B。2000年代前半を彷彿させるミドルテンポのトラックの上で艶やかなメロディーと複雑なハーモニーを男女3人の声で美しく響かせる。たとえ気持ちが揺れ動いても焦らずに自分のペースでやっていきましょうとメッセージする1曲。
「SNSが当たり前の今って、自分をよく見せることに囚われているように思うんです。そうじゃなくて、もっと自分自身や自分が感じたことを大切にして欲しいということを伝えたかったんです」(KENTA)
08. Time 2 Get Up feat. WISE, SHOHEI
車のエンジン音から始まるリラックスした雰囲気のドライブチューン。男の二人旅をテーマにした歌詞は、忙しさから解放される束の間の休息という設定で、夏の昼から夜までの情景を描写。途中にセミの鳴き声や打ち上げ花火の音も入って夏感を演出している。
「ちょっと懐かしみのある夏曲を作りたかったんです。ヴァースは2人が各々書いてフックはWISEさん主導で制作しました。蝉の鳴き声や花火の音は僕のアイデア。情景が浮かびやすい方が楽曲の物語が見えてきてエモくなるのかなと思ったんです」(SHOHEI)
09. NASTY feat. ELLY/CB, LIKIYA
リリース作品では初めて実現した兄弟コラボ曲。サウスヒップホップ調のトラックはELLY/CBが相棒といえるNAKKIDと共に制作。歌詞の舞台はクラブや夜の街。素敵な女性を誘い出す内容になっていて、二人の少し強引でセクシーな口説きにキュンとしちゃうかも。
「兄貴とは一緒にクラブで遊んでいたし、お酒を飲んで一緒にバカやってきたところもあるので、そういうルーツを落とし込めたらなと。父親がアメリカ南部のアラバマ州出身なので、そういう部分でもルーツを表現したくてサウス寄りの音にしたんです」(LIKIYA)
10. 適当にやっちゃって feat. DOBERMAN INFINTY
DOBERMAN INFINITYを迎え、総勢10名で賑やかにマイクを回す夏の宴ソング。歌詞を制作中にKUBO-Cが出した「もう四時!?」という笑撃ワードがフックの方向性を決定づけたとか。マイアミベース仕立ての超陽気なトラックが脳天気さを加速させている。
「どこか笑えるコミカルなパーティーソングになりました。酔い潰れた男の子とかフラれた女の子とか、ちょっと残念な子もいるけどみんなで楽しく夏を過ごそうぜっていう。ドーベル兄さんたちとは一緒に飲むことも多いので、そういうときに喋ってる雰囲気を曲に落とし込めたと思います」(LIKIYA)
11. REEEMINDER! feat. feat. Crystal Kay
今回のアルバム制作の端緒となったMA55IVE UNION Projectの記念すべき第1弾作品。m-flo loves Crystal Kay「REEEWIND!」(2004年)をCrystal Kay本人の歌唱でフックに引用し、現代的なセクシードリルに仕上げた好曲。チルな佇まいがアルバムに甘く切ない余韻を残す。
「MA55IVE UNION Projectのスタートを切った曲なので思い入れが強いです。歌うと自然と気持ちよくなれるし、流れを変えてチルな雰囲気を作れるからライブでとても大切な曲。今回のアルバムの締めくくりとしても最高の曲だと思います」(TAKAHIDE)
文/猪又 孝