STORY

第1話

旅行代理店の契約社員・田中千春(菅野美穂さん)は、彼氏いない歴5年、35歳の誕生日を目前に控えた独身女性。お人好しで人付き合いも良い千春だが、素直に甘えられない性格ゆえ交際も長続きせず、友人たちが次々と結婚、出産を経験するのを目の当たりにするなかで、このままひとりで歳を重ねることに不安を抱き始めていた。

造園事業などを手がける『ナチュラルガーデナー』に勤務する桐島春子(天海祐希さん)は、邸宅や公園などのデザインをする優秀な造園プランナー。44歳で独身の春子は、長い間、既婚者である上司・樋口亨(石橋凌さん)と不倫関係にあったせいか、40歳を過ぎたころからは、結局自分は仕事と結婚したのだと思うようになっていた。夫を亡くし、姑の房江(市川千恵子さん)の介護をしている春子の母・陽子(梶芽衣子さん)は、そんな娘のことを心配している。

一方、フラワーショップ『メゾン・フローラル』でアルバイトをしている工藤純平(玉木宏さん)は32歳の独身男性。美大出身の純平は、画家になることを夢見ていたが上手くいかず、未練を残しつつも絵の道を諦めようとしていた。美大の後輩で、初の個展を控える画家・河野瑞希(伊藤歩さん)は、そんな純平に思いを寄せ、何とかもう一度、純平に絵を描いてもらいたいと願っていた。

明楓大学では、谷川修司教授(小市慢太郎さん)による現代社会学の講義が行われている。テーマは、未婚率が上昇している日本の結婚事情について。教室には、純平とともに『メゾン・フローラル』でアルバイトをしている1年生・佐倉麻衣(三吉彩花さん)をはじめ、鈴木朋美(Sharoさん)、佐藤翔太(永江祐貴さん)、山田弘樹(東出昌大さん)らの姿があった。

同じころ、千春が働く旅行代理店に、元カレの小島圭介(中村俊介さん)がやってくる。圭介は、若い婚約者を連れて、新婚旅行の相談に来ていた。ショックを受けた千春は、同僚の鈴村真里子(福田彩乃さん)や森田淳(入江甚儀さん)に慰められつつ帰宅する。だが、家には妹の千夏(中村ゆりさん)が婚約者の橘陽一郎(青柳翔)を連れてきており、父親の卓(春海四方さん)と一緒になって千春の話をしていた。千夏は、千春が結婚して家を出たら、陽一郎とともにこの家に住むつもりらしい。千春がその会話を聞いていたことに気づいた母・紀子(市毛良枝さん)は、改めて千春に結婚ことをどう考えているのかと問いかけた。だが、返答に困った千春は、「ちょっと出かけてくる」と言い残して家を出てしまう。

千春は、お気に入りの場所だった噴水公園で缶ビールをあおっていた。するとそこに春子がやってくる。この噴水公園は、春子がデザインを手がけたものだった。すっかり酔っていた千春は、チラシで作った紙飛行機を飛ばそうとして、ブレスレットも一緒に池に落としてしまう。春子は、紙飛行機が排水溝にひっかかるのを防ぐため、靴のまま水の中へと入っていった。それを見た千春も、仕方なく後に続いた。そのとき、噴水が吹き出し、ずぶ濡れになってしまうふたり。その挙げ句、パトロール中の警察官に見つかった千春と春子は、交番で事情を説明する羽目になってしまう。

春子の自宅マンションに立ち寄った千春は、着替えを借り、バイクで会社まで送ってもらう。
『ナチュラルガーデナー』に着いた春子は、樋口から、系列子会社が運営している業績不振の店を見てきてほしい、と頼まれる。それは『メゾン・フローラル』のことだった。さっそく店を訪れた春子は、純平や麻衣に出会う。純平によれば、来週から新しい店長が来ることになっているらしい。

一方、千春は、大学時代のサークル仲間・久保裕司(袴田吉彦さん)と再会する。裕司は、圭介から千春のことを聞き、社員旅行の相談に来たという。実は千春と裕司は、かつて、お互いに35歳まで独身だったら結婚しよう、と約束したことがあり…。