イントロダクション


過疎の離島で医師不足に悩む診療所に勤める事務長、相川三郎。

「アッペ(虫垂炎)をやってみるかい?」
三郎は、所長の指導の下、メスを握った─
違法と知りつつ、持ち前の手先の器用さと真面目さと勘の良さで様々な治療を覚えていく三郎。
島の人々も彼を「若先生」と呼び始める。

「島から出なければいい」、「これは、人助けだ」
戸惑いながらも自分に言い聞かせ、医師免許もないまま、所長の弟子となり、医師の仕事をこなしていく三郎。

診療所の看護師・鈴木明子は、無資格医にもかかわらず医療に従事する三郎を愛し、支え抜く決意をした。
そんなある日、大病院の令嬢・田坂亜希子との出逢いが三郎と明子の運命を変える。